ARBERTINA
アルベルティーナ
イタリア・ローマのデザイナーによるニットブランド。
ハサミを使わず全てのパターンを編み上げる全成型手法にて製作される作品は
『ニットの芸術』と称され、ローマ市より名誉ある『バラ賞』を受賞しています。
NYメトロポリタン美術館には、12点の作品が芸術品として収蔵されています。
ALBERTINA's
history
イタリアンファッションが誕生しつつあった50年代初頭に、Albertina Giubboliniの挑戦は始まった。
Albertinaはハイファッションにニットを取り入れた第一人者。
トスカーナ生まれの彼女は若くしてローマに来てキャリアを積んでいて、ローマとの絆は深い。
現在ではニューヨークのメトロポリタン美術館に永久展示品として、彼女が最初に使用していた編み機と共に彼女の12作品が展示されている。
AlbertinaはSiena県のColle Val d' Elsaに1921年4月3日に誕生。
彼女の生まれ故郷のトスカーナ州は芸術、文化、そして職人技の伝統がある地区で、そんなトスカーナで生まれ育ったAlbertinaには自然に美や色彩や調和のセンスが身についていった。
当時のAlbertinaはそんな仕事にはあまり興味はなく、むしろ嫌だったそうで、「絶対こんな仕事やるもんか!」と言っていたそう。しかし必要に駆られその仕事を学ぶことになり、後に母と同じモデルの織機を作ってもらい、それが現在ニューヨークのメトロポリタン美術館に展示されている。
そんな土地で育った彼女は、おもちゃのような感覚でウールの毛玉で遊び始める。
Albertinaいわく、
「幼少のころを思い出すと、母が結婚した時に実家から持ってきた機織り機のカタカタという音が聞こえてくる。
とてもシンプルなもので手作りされた織機なんだけど、それで母は近所のみんなに靴下やニットの下着を仕立ててあげていたんです。」
Albertinaは工房で母の横について働いていたそうで、材料が足りなかったからマットレスからウールを拝借していたという。
「マットレスのウールを一生懸命紡いでいって、それが最後にはセーターに変わっちゃうんです」
「ダメになったプルオーバーや祖母の古いショールをばらして、他の繊維と合わせながら一つの服にしていくんです」
様々なスポーツが普及していった1920ー30年代。その新しい計画としてインナーだけではなく、アウターにも挑戦しようとした。
「幼少期に培った経験をも通じて、その業界を発展させることを決心しました。もちろん故郷のColle Val d' Elsaは小さい村だったので、大きい影響力をそこで発揮できるとは思っていませんでした。」
そんな経験を通じて、彼女はウールの無限の可能性に気づくことになる。
ウールは他の素材に比べて圧倒的な柔軟性があり、そのため着る人の体型に合いやすく、柔らかいので動きの自由もきく。また外気から守りやすく体温も失われにくい。
Albertinaはよく"手触り"を強調する、つまり"感覚"である。
手で触ってみて、"暖かい、柔らかい、柔軟性がある、さらさらしている、ざらざらしている、乾燥している"などの感覚を捉える。
その後、母の死によって状況は一変。小さな工房は閉め、家族経営の店の経理をやることに。
しかし、友人を通じてナポリに移住して小さな工房で働き始める。Albertinaが28歳の頃だった。
("Albertina Un filo di lana lungo sessanta anni" より翻訳・引用)